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MT車は面倒なところが逆に良い

運転技術
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MT車と言えばギアチェンジも全て手動で行う必要がありAT車が普及している現在においては非常に操作が面倒な車になります。

AT車乗りからすればなぜわざわざ面倒なMT車に乗るのか理解に苦しむ事でしょう。

しかしAT車がほとんどを占める現在においてもMT車をわざわざ好き好んで乗るのにはそれ相応の理由があります。

こんな記事を書いている筆者もMT車乗りです。

筆者の独断と偏見にはなりますが、MT車をわざわざ乗る理由について解説したいと思います。

MT車の面倒な操作が結果心地よさにつながる

MT車の面倒な操作が直接的に心地良いと感じる訳ではありません。自動であれこれされるよりも自分のタイミングで手動で操作したほうが結果的には心地良いということです。

どういうことかと言うと、MT車の面倒とされるギアチェンジなどの操作をAT車では自動化してくれますが、これが逆に煩わしくなる事があるということです。

自動化は万能ではなく、一部の人にとっては望まざるものであるということです。

例えば、パソコンやスマホなどでよくお節介機能というのを聞いたことがありませんでしょうか?

ユーザーは望んでないのに勝手に操作してしまうあれです。

OSやアプリの設計者は良かれと思って機能を実装するのですが、ユーザーからするとそれは望まれない機能であり、お節介以外の何者でもないものとなってしまいます。

AT車においてもこれに近い感覚を覚えることがあるということです。

MT車乗りがAT車を煩わしく思う時

これは筆者の独断と偏見にはなりますが、AT車を煩わしく思う時があるとすれば以下2点だと思ってます。

  1. 発進でクラッチ操作が不要
  2. 自動でギアチェンジしてくれる

1 発進でクラッチ操作が不要

こんな素晴らしい機能の何に煩わしく感じるのかというと、ブレーキを踏んでないと停止できず勝手に進んでしまうところです。

進んでほしいと思ってないのに進んでしまうのが煩わしいのです。

AT車はクラッチの代わりにトルクコンバーターを設ける事でクラッチ操作に代わる機能を実現してますが、構造上エンジンとギアが常に物理的に直結しているのでエンジンが回っている限り常にエンジンの動力がギアに伝わります。

それがクリープ現象という形で現れ、ブレーキを踏んでその動力を抑制していないと停止し続ける事ができません。

ただ停止していたいだけなのにブレーキを常に踏んでいることを強いられることに煩わしさを感じるのです。

2 自動でギアチェンジしてくれる

これまたこんな素晴らしい機能のどこに煩わしさを感じるのかというと、ギアチェンジのタイミングです。

AT車のギアチェンジも現在の走行状況、ドライバーのアクセルの踏み具合など色々と最適化しつつギアチェンジをしてくれるので全くだめというわけではないのですが、流石にこの先の道路状況を踏まえたギアチェンジはできません。

なのでこの先例えギアチェンジが不要な状況であってもギアチェンジをしてしまうことがあります。

CVT車なら別ですが、通常の多段ギアのAT車なら大小あれどギアチェンジの際にシフトショックは起きます。

またギアチェンジの際は若干のもたつきも発生します。

不要なギアチェンジによってこれらのマイナスな事象を強制的に体験することになるのでそれを煩わしく感じるのです。

AT車の煩わしさよりMT車の面倒くささが上回ることはないのか?

MT車の面倒極まりない手動操作に比べればAT車の煩わしさなんて微々たるものでは?というふうに考えるのは普通だと思います。

事実、AT車がここまで普及したのもMT車の運転が非常に面倒である事の証左であると思ってます。

しかし、若干敷居は高めですがMT車もある程度慣れてしまうと世間一般で言われているような面倒くささは全くと言っていいほど感じなくなります。

ほぼ全ての操作が無意識で出来るようになるので当初感じていた操作の面倒くささはほぼ無くなります。

そうなると、逆に勝手に進もうとしたり、意図しないタイミングでギアチェンジされるAT車の煩わしさがMT車の面倒くささを上回るようになります。

MT車は眠くならないは都市伝説

巷ではよくMT車は操作が複雑だから眠くならないとか言われてますが、はっきり言ってそれは完全に都市伝説です。

むしろ逆にMT車のリズミカルに行われるギア操作に心地よさを覚え余計に眠気を誘うくらいです。

はたから見ると一生懸命操作しているようにみえるのですが、アクセル、クラッチ、ギアはタイミング良く連携しながら操作する必要があるのでリズミカルに操作することを求められます。

初心者であればこれらの操作は大変なのですが、慣れると操作を無意識でリズミカルに操作するようになります。

ギアチェンジする場合、頭の中では「タン♪タターン♫」みたいなイメージが湧き、リズムとイメージでギア操作するようになります。

このリズムが意外と心地良がったりするのでMT車は眠気防止どころか睡魔を余計に誘う車だったりします。

MT車の運転に面倒くささを感じなくなった時MT車の真の魅力感じるようになる

よくスポーツ系の車にある宣伝文句で「走る喜び」と言うのがあります。

これは何に喜んでいるのかと言うとガチャガチャと車を操作してそれが思い通りにいった時になんとも言えない高揚感に喜んでいるのです。

人それぞれ感じ方に若干の違いはあれど、その本質は「自分の思い通りに車を操作出来たこと」でありそれに喜びを感じるのです。

AT車でもこの喜びを感じる事は出来ると思いますか、MT車の方が操作が複雑な分、決まったときの高揚感はその分高くなります。

イメージとしては、ブオ〜ンと加速し、コーナー(カーブ)手間でブレーキングしつつブォーン、ブォーンと小気味良くシフトダウン(つまりヒールアンドトゥ)して、エンジン回転数を保ちつつ再度アクセルを踏み気持ち良く加速しながらコーナーを抜けて行く…みたいな一連の操作が自分の想像していたものと実際の操作がカチッと決まるときに何とも言えない快感を覚えるんです。

最後に

今や絶滅危惧種のMT車ですが、MT車には操作が複雑な分MT車にしか味わえない快感があるのも事実です。

万人受けするものではないですが、もし自分がMT車好きの素質があったとしたらそれは人生に新たな1ページを加えることになるのは間違い無いでしょう。

もし少しでもMT車に興味があったら是非ともMT車の運転にチャレンジしてみてください。

それでは良いカーライフを。