意外かもしれませんがスポーツカーはファミリーカーとかと比べて運転が楽で疲れにくいです。
スポーツカーといえばキビキビとした走りをするので運転が難しく、そして何だか疲れそうな感じがしますが実はその逆で運転は楽で体への負担も少なく疲れにくいんです。
スポーツカーは楽に運転できるので疲れにくい
スポーツカーといえども運転性能はピンキリですが、基本的にファミリーカーよりも優れているため加速と減速、そしてコーナリングがハードにこなせる傾向にあります。
そんなことからスポーツカーの運転をレーシングカーのハードな運転とダブらせてイメージする方が多いのではないかと思います。
スポーツカーを運転するにはレーシングドライバーのような高いスキルが求められ、ハードな車の動きにドライバーは耐える必要があり体への負担が大きく疲れるといったようなイメージを多くの方が持たれていると思います。
確かにカーレースの様なスポーツ走行をした場合はその通りでスキルも体力も必要になります。
ですがスポーツカーだからスポーツ走行を必ずしないといけないわけでもなく、またスポーツ走行しかできない訳でもありません。
スポーツカーでもファミリーカーと同じようなのんびりした走りもでき、特別に運転が難しい訳でもなくまた特別に疲れるわけでもありません。
それどころかファミリーカーよりもあらゆる面で性能が高いことから逆に運転は楽で疲れにくいのです。
スポーツカーの運転が疲れにくい理由
スポーツカーの運転が疲れにくい理由はいくつか考えられますが、主に以下の3要素が大きく関わっていると考えられます。
- ドライバーの操作と車の挙動のラグやズレの少なさ
- 座席のホールド性の高さ
- 足回りの硬さ
ドライバーの操作と車の挙動のラグやズレの少なさ
「ラグ」とはドライバー操作に対して車の反応時間の遅れで、「ズレ」とはドライバー操作に対して車が思ったような動きをしない挙動の差です。
車を運転していてドライバーの操作に対して車の挙動にラグやズレが生じるとドライバーは無意識にそれを補正しようとします。
運転している間絶え間なくラグとズレが発生するとドライバーは常にその補正を強いられ、体力と精神力が削られドライバーを疲労させます。
スポーツカーはファミリーカーよりこのラグとズレが少ないためドライバーの疲労も少なくてすみます。
平たく言えばスポーツカーは車がドライバーの操作に対して素直に反応するという事です。
走りの良さを売りにしている車に対してよく使われる表現に「人馬一体」というのがありますが、これはドライバーが行った操作に対してラグやズレが少なく素直に車が反応する事の例え表現になります。
走りの良さが必須条件であるスポーツカーはまさしく人馬一体となれるように設計されているためスポーツカーはファミリーカーと比べるとラグとズレが少なく楽に運転でき疲れにくいのです。
座席のホールド性の高さ
座席のホールド性の高さとはドライバーの体の固定性能の高さです。
加減速のときは慣性力で体が前後に、コーナリングでは遠心力で左右に体が振られますが、これらの振れに対してドライバーは姿勢を保とうと体全体を使って無意識に踏ん張ろうとしこれがドライバーを疲労させます。
スポーツカーではスポーツドライブの強い加減速と速いコーナリングで体が前後左右に振られる事の無いように座席はホールド性の高い設計になっています。
なので、スポーツドライブでも通常ののんびりドライブでもドライバーの体をしっかりとホールドしてくれるためドライバーへの体への負担が少なくドライビングが楽で疲れにくいのです。
足回りの硬さ
車の足回りには道路の凸凹からくる振動を吸収し乗り心地を良くするためにサスペンション(バネ)とサスペンションの動きを滑らかにするダンパーがついてます。
足回りが柔らかいと車の踏ん張りの効かず、コーナリングでは遠心力で車体が左右へグワングワンと大きく振られる(ロールする)ためドライバーの体もそれに合わせて大きく振られる事になります。
左右の振りが大きく振られる時間も長いとドライバーに大きな負担となります。
スポーツカーはファミリーカーに比べると足回りが硬くコーナリングにおいて車の踏ん張りが効き、車が無駄に左右へと振られないためドライバーの体への負担が少なくてすみます。
足回りが硬いと地面の凸凹の影響を受けやすくなり乗り心地がある程度は犠牲になりますが、サスペンションとダンパーの絶妙な組み合わせで快適さを保ちつつもしっかりとロールを抑えられており足回りの硬さが体への負担にならないようにスポーツカーは設計されており、車がキビキビした動きになりとてもドライビングが楽しくなります。
以上のようにスポーツカーはスポーツ走行のようなハードな走りを想定しての設計となっており、そのような状況下でもドライバーがドライビングに専念できるように車がサポートしてくれます。
なので公道のような平穏な走りでもドライバーへの体への負担は軽減されるため運転が疲れにくいのです。
MT車のスポーツカーともなれば人馬一体がより体感できドライビングが至福の時間となる
話が若干それますが、スポーツカーでもMT車とAT車とではまた違ったドライビング感覚が味わえます。
MT車はエンジンの動力がギアを介してダイレクトにタイヤに伝わる構造になっているため、アクセルワークに対する挙動のラグがAT車よりも少なくよりダイレクトになります。
またMT車はクラッチによってエンジンの動力の伝え加減を思いのままに調整する事ができるのでこれもダイレクトを高める要素になってます。
MT車のスポーツカーともなればアクセルワーク、クラッチワーク、ハンドリング、ブレーキングなどあらゆる操作においてドライバーの操作が車に対してダイレクトな挙動となるため、極限まで人馬一体を体感する事ができる車となります。
このような車でドライブするとまるで車とドライバーが対話をしながら走る感覚に陥り、何ともたまらない快感を味わう事ができ、それは何とも言えない至福の時間となります。
スポーツカーにどハマりする理由の一つがこれであり、それに加えボディの高いデザイン性も相まって一度MTスポーツカーに乗ってしまうと他のタイプの車には乗ろうと言う気が起きなくなる人が続出します。
スポーツカーは、できればMT車で一生に一度は乗ってみることをおすすめします。
MT車だと最初はクラッチワークなどで苦労させられるかもしれませんが、慣れると逆にクラッチのないAT車では不満を感じるようになるくらい楽しくなります。
まとめ
スポーツカーはファミリーカーと比べると運転が楽で疲れにくいです。
疲れにくい理由は以下の3要素がドライバーの体への負担を軽減しているためと考えられます。
- ドライバーの操作と車の挙動のラグやズレの少なさ
- 座席のホールド性の高さ
- 足回りの硬さ
MT車ともなればアクセルワークがAT車よりもダイレクトになります。
故にMT車のスポーツカーは人馬一体を極限まで体感できる至福の車となります。
MT車が敬遠される原因の一つとしてクラッチ操作の難しさが挙げられますが、一つコツを掴んでしまえば嘘のようにMT車の運転が簡単になります。
近年MT車が激減し、さらにスポーツのラインナップの減少からもはやMT車のスポーツカーともなれば絶滅危惧種になってしまいました。
車の動力がエンジンから全て電気モーター変わればMT車の構造は不要となりもう二度とあの至福の時間は戻ってこない事でしょう。
そうなる前に是非ともスポーツカー、できればMT車に乗ってみて下さい。
それでは良いカーライフを。