中古車を買おうと思うけどどこをみたら良いかわからないと言う方への記事です。
実のところプロの方が見ても中古車の状態を完全に見極めるのはほぼ不可能です。
それは車が3万以上の部品から作られており全ての部品を確認するのが不可能であることと、確認できる部品でも劣化具合は完全に見極められないからです。
ではプロでない方はなおさらどうしたら良いかという話しになりますが、いくつかの確認ポイントを事前におさえて最低限の見極めをできるようにしておくのが良いでしょう。
何も知識を持たずにお店に行くのも良くないですが、あまりにもあれこれチェックポイントを設けても一つ一つの確認がおろそかになってしまう可能性があるので完璧を求めずある程度割り切って中古車を選ぶ覚悟で望みましょう。
筆者は製造年式20年超の車を所有しており、走行距離も20万キロオーバーの車に乗っています。
そしてこれまで色々な箇所の故障を経験してきましたので故障や不具合の確認方法と、どのような症状が出るかをこの記事にフィードバックして中古車を選ぶときのポイントとしましたのでぜひ参考にして頂ければと思います。
※ここに記載した内容を全ておさえたとしても選んだ中古車の品質が保証されるわけではありませんのでご注意下さい
選択肢として除外したほうが良い車
車種に関係なく全ての中古車に共通して言える除外したほうが良いと言われる条件です。
- 走行距離の多い車
- 修復歴有りの車
- 高年式車
これらの中古車を絶対に選んではダメというわけでないですが、故障や不具合に遭遇する確率がぐんと上がります。購入後は小さな故障や不具合に気付くためにもそれなりの車の知識が必要になります。
また故障や不具合に遭遇したときには、精神力や資金力も必要になりますのでそれなりの覚悟が必要になりますし、修理が多くなるとその間乗れなくなるのと代車費用などでさらに費用がかさみます。
走行距離の多い車
走行距離が何km以上がダメみたいな指標みたいなのはありませんが、どんなに頑丈な車でもだいたい10万km辺りからポツポツと大きな修理が必要な所が出てくると言われています。
基本的にはどんな部品でも寿命はありますから走れば走るほど寿命を迎える部品は増えて行き寿命の長い部品ほど高く交換工賃も高くなる傾向があります。
なので走行距離が多い車ほど維持費が高額になる傾向があります。
修復歴有りの車
修復歴は車の骨格であるフレーム部分に損害をうけ修理した経歴のある車です。
どんなに修理しても車体の歪みが完全に直らない事も考えられますので、どうしても欲しいレアな車であることなど特別な理由がない限り選択肢としては外した方がいいです。
また、価格の安さを理由に買うのもやめたほうが良いでしょう。
故障や不具合の発生確率が高くなる可能性があるため修理費がかさみ、維持費が高くなる可能性があるからです。
高年式車
部分は使用していなくても時間の経過とともに劣化していく経年劣化というものがあります。
わかりやすいのがブッシュなどのゴム製品です。
紫外線などで時間の経過とともに劣化していきます。
また電装部品も熱や湿気などにより経年劣化していきます。
だいたい10年落ちあたりから車の足回りに使われているブッシュやパワーウィンドウなどの電装部品などがちょくちょくだめになり始めると思っておいた方が良いでしょう。
結局は時間の流れには逆らえないという事です。
中古車店に行く前に確認すること
お店に足を運んで実際の車をみて確認ポイントが意外と多いのと時間も限られてます。
なのでお店に運ばなくても確認できることは事前に確認しておきましょう。
インターネットなどで以下の情報は簡単に見つけられます。
- グレードによる装備の違い
- 販売相場の相場
- 買取価格の相場
- その車の壊れやすい所(上級者向け)
これらの確認は中古車サイトで確認するのが最適解です。
全国各地のお店から希望の条件ですぐに中古車の選定ができ、条件もかなり細かく指定できます。
また、各車種のカタログを掲載しているサイトもあり、簡単なグレードごとのスペックも確認できますのでかなりおすすめです。と言うかもう中古車サイト一択ですね。
グレードによる装備の違い
車にはグレードというものがあり、部品や装備品などの組み合わせパターンです。
一般的には価格とグレードは比例するので価格が一番高いグレードが一番いい車となるわけですが、それはそのグレードに使われている部品や装備品の組み合わせの結果そのような価格になっただけです。
確かに価格の一番高いグレードであればその車種で一番いい部品と装備品となることがほとんどです。
しかし極端な話、たとえば走りしか興味ない人にとってはオーディオが充実していてもそのオーディオに掛かった代金は無駄にしかなりません。
なので、グレードに応じて装備されているものの違いを確認して不要に高価な装備品がある場合はグレードを落として購入費を抑えるというのも一つの選択肢です。
エンジンやシャーシ(車の骨格)など後から違うものに置き換える事が困難なものを除くと、社外品、他グレードや他車種からの流用など後から好みに応じて付け替えることができる部品は多いので、グレードを落として浮いたお金で自分の好みに応じて強化やカスタマイズを楽しむのも良いでしょう。
販売価格の相場
相場価格を知ることは重要です。
なぜなら相場価格とズレている場合はお店の値付けに問題があったり、車そのものに価格相応となる理由があると考えられるからです。
ただ相場価格に正解はありませんので大体の価格帯を把握する程度で十分です。
車の価格が決まる要素はいくらでもあるのですが、以下の要素は大きく価格に影響する要素なのでまずはこれらを抑えておくと大体の相場が見えてきます。
- 車種
- グレード
- 年式(製造年月日)
- 走行距離
- 修復歴の有無
- 車検の有無
- オートマ、マニュアル
以下についても価格に影響する要素なので余裕があればこちらもおさえておきましょう。
- 色
- 装備パーツ
- 整備記録簿の有無
- ワンオーナーかどうか
買取価格の相場(現在所持している車を売る場合)
今の車を買取ってもらいそれを購入代金の一部に充てる事も多いかと思います。
販売相場価格同様に買取価格の相場をおさえておくことは買い叩かれないためには重要なことです。
インターネットで複数業者からの一括見積りすることで大体の相場価格を知ることができます。
その車の壊れやすい所(上級者向け)
余力がある方はその車種のウイークポイントを抑えておくと良いでしょう。
インターネットで「(車種名)+修理」や「(車種名)+壊れやすい」などその車の修理履歴などがヒットしそうなキーワードでググるとブログなどでその車の修理などが紹介されていることがよくあります。
車にある程度詳しくないと何をどう修理したかはわからないかもしれませんが、同じような修理が幾つもヒットする場合はその車のウィークポイントであることが多いので将来的な修理をある程度予測できます。
高額な修理だったり、車として致命的なウィークポイントだったりすると最悪手放すことも考えられますので非常に参考になるため可能な方はぜひとも調べて見てください。
展示車を見ながら確認すること
- エンジンの状態
- かかり具合
- 安定性
- 異音の有無
- エアコン(冷房)の効き
- パワーウィンドウの動き
- タイヤの減り方
エンジンの状態
エンジンの見るべきポイントはいくつかありますが基本換えのきかない重要部品なので以下のポイントは必ず抑えるようにしましょう。
これらに問題がある場合は修理不能か高額な修理に繋がる不具合を抱えている可能性が高いです。
かかり具合
エンジンをかけるときは最初にセルモーターと呼ばれるエンジン始動のためのモーターがエンジンを回して始動させます。
キーを回すもしくはボタンを押してエンジンを始動させるわけですが、セルモーターがどれくらい回ってエンジンが始動するかが一つの目安になります。
セルモーターが回るとキュキュキュやキュルキュルキュルなどの音がなるのでその音の長さが短いほどよいです。
車種に違いはあれど、キュまたはキュルが3〜5以内でかかればイイ感じです。
それ以上だとちょっと怪しいですので、同車種の他の展示車があればそちらと比較するのもありです。
一発でかからないのは避けた方が良いでしょう。
何度か試してエンジンの始動の安定性も合せて確認することもおすすめします。
安定性
アイドリング状態でタコメーター(回転計)の針が上下に動いていないか(ハンチングを起こしていないか) みます。
多少の上下はあれど500回転以上も上下するとなるとハンチングの症状と言えるでしょう。
このような症状があると最悪アイドリングでエンジンストールするようになる事も考えられますのでしっかり確認しましょう。
異音の有無
エンジンから異音がしないか耳を澄ませましょう。
エンジンの回転数に合わせてカタカタ、ガタガタなと部品同士が干渉しているような音がないか確認しましょう。
エアコン(冷房)の効き
冷房の効きを確認しましょう。
正常な場合、外気温が30℃以下であればエアコンの吹き出し口の温度は5〜8℃くらいまでになります。
冷蔵庫が2〜6℃と言われていますのでそれより若干暖かいですが、それでもかなり冷たいです。
冷たいと感じないのであればどこかしら不具合があると考えられます。
ちなみに暖房はエンジンの排熱を利用しているので暖房が効かなくなる可能性は低いです。
しかし、冬でも雨の日は除湿は必要で除湿にはこの冷房の機能が使われますので冷房が効かないのは致命的となりますので必ず確認しましょう。
パワーウィンドウの動き
パワーウィンドウのモーターは比較的使用頻度が高い電装部品であり劣化がしやすいです。
モーターが弱まると動きが鈍く遅くなります。
そして最悪動かなくなります。
窓が閉まらないとセキュリティの観点から駐車場に置いておけなくなるのでそのような事態は避けたいところです。
エンジンが掛かった状態で窓を上げ下げしましょう。
前後左右同時ではなく、各窓一枚一枚動かして違いを確認しましょう。
左右の窓の動きの違いがパワーウィンドウの劣化の違いとして現れるので確認しやすいです。
全てが同じく劣化していたらこの方法は使えないのですが、その可能性は低いので結構有効な確認方法だと思います。
同車種の展示車が他にもあるならそれとの違いを確認するのもありです。
タイヤの減り方
ここで見るのはタイヤの山(溝)の残りではなくどのような減り方をしているかの確認です。
確認する際は横からではなくタイヤの正面から4本全て確認しましょう。
確認ポイントは4本のタイヤのうち偏摩耗しているタイヤがないかを見ます。
偏摩耗とはタイヤの減りが均等ではなく偏って摩耗している状態のことで、左右のどちらかもしくは両方が減っていたり、中央だけ減っている状態のことです。
車高を下げるとそのようになることがありますが、ノーマルであれば通常タイヤの面は均等に摩耗します。
偏摩耗が起こる原因はいろいろとありますが、最悪フレームの歪みから来てるかもしれないのでタイヤの減り方はよく確認しましょう。
展示車に乗って確認すること
乗ってみて初めて気付く事もありますので試乗が可能ならば是非とも以下の項目を確認してみてください。
- 異音の有無
- 走行の安定性
運転初心者の方には異常の判断が難しいかもしれませんが、ただ乗ってみるだけでもその車との相性などフィーリングなども確認できますので是非とも試乗しましょう。
なお、運転初心者の場合はお店の人にその旨伝えて試乗できるか必ず相談しましょう。
購入前にお店の大事な商品に何かあったら大変なので。
ちなみに、筆者はペーパードライバー状態で3.5LのハイパワーなMT車に試乗しました。
お店の人にペーパードライバーであることを伝えて、広い安全な所まで連れて行ってもらい試乗しました。
ハイパワーでMT車だとさぞかし運転が難しいのでは?とおもってましたが意外と扱いやすく、最終的には購入しました。
お店によっては冷やかし客対策であれこれ手続きしないと試乗させてくれないところもあるので、無用なトラブルを避けるためにちゃんと自分のことを話して店の人と合意が取れた状態で試乗するようにしましょう。
異音の有無
可能であれば窓を開けて試乗しましょう。
窓を閉めると意外と異音が遮断されてしまうことがありますのでダイレクトに異音が聞けるように窓を開けて試乗することをおすすめします。
実際に走ってみて速度に合わせて何か聞こえないか確認します。
足回りに異常がある場合は速度に合せてグワングワングワンなど唸り音がしたり、カタカタカタなどの何かと何かが干渉する音がしたりする場合があります。
ゴォーなどの音はロードノイズ(タイヤが地面を転がるときに発生するノイズ)などの場合が多く判定が難しいですが、たとえばアスファルトが新しく貼り替えられたとことそうでないところと比べて音が変わればロードノイズの可能性が高いですが、そうでない場合はタイヤと道路との間が変化に関係ないのでもっと別の問題の可能性があります。
とにかく、何か気になることがあればためらいなく店の人に確認しましょう。
そこで店の人の説明や対応に納得できなければ諦めるのが吉です。
そのまま買ってしまうと、結局はあなた自身が解決しなくてはいけなくなるのと、不具合の負担が全てあなたの負担になる可能性が高くなります。
走行の安定性
真っすぐでしっかり舗装されかつ左右に傾斜が付いていない道路でそっとハンドルを握るのをやめてみてください。
(バンザイして手を話すと危険でかつ違反になるのでいつでも握れるようにしてハンドルを離してみます)
もし、車がどちらかに曲がる場合はアライメントつまりタイヤのバランスが崩れている可能性が高いです。
過去に縁石などにヒットさせてしまった場合などで足回りのバランスが崩れている場合はアライメント調整ではなく部品の破損と同じなので修理になります。
しかもかなりの高額になる可能性があるので真っすぐ走らない車はやめたほうがいいでしょう。
まとめ
以下に中古車選びのポイントをまとめます。
1 選択肢として除外したほうが良い車
- 距離の多い車
- 修復歴有りの車
- 高年式車
2 中古車店に行く前に確認すること
- グレードによる装備の違い
- 販売相場価格
- その車の壊れやすい所(上級者向け)
3 展示車を見ながら確認すること(試乗前)
- エンジンの状態
- エアコン(冷房)の効き
- パワーウィンドウの動き
- タイヤの減り方
4 展示車に乗って確認すること
- 異音の有無
- 走行の安定性
意外と多く感じるかもしれませんが、各段階で確認すべきポイントは多く無いので時間をかけて焦らずゆっくり確認しましょう。
車は決して安い買い物ではないのでそれだけ時間をかける価値があります。
確認ポイントは他にもありますが、ここで挙げたポイントをおさえただけでも何も知識のないまま丸腰で買いに行くよりかは雲泥の差です。
中古車選びは運もかなりあります。
皆さんが中古車に巡り会えますように。
それでは良いカーライフを。