スポーツカーと言っても具体的にファミリーカーと何が違うのかと言う話をしたいと思います。
これからもしくは将来スポーツカーに乗ってみたいけど実はよく知らないという方に対して具体的なイメージがわくよう手助けになればと思います。
またスポーツカーに憧れて買ったけど思っていたのと違うなどスポーツカーに対する漠然としたイメージのまま買ってしまって後悔する人も少なからずいるのでそのようにならない為の手助けになればと思います。
ここで述べている内容は筆者の経験を踏まえた筆者の独断と偏見によるものです。
専門家の観点と私の観点に違いがあってもそれはご容赦頂ければと思います。
ちなみに筆者はZ33前期MT乗りです。
Z33はスポーツカーではなくスポーティーカーという声もありますが、スポーツカーとファミリーカーの違いを見る上ではZ33でも参考になると思っていますのでこのまま読み進めて頂けたら幸いです。
スポーツカーにはダイレクト感がある
スポーツカーは走行性能に重点を置いているのが特徴です。
攻めたハードな走りに対応するためにはハンドルやブレーキはリニアな反応が求められます。
リニアな反応とは操作した分だけそれに応じた応答をすると言う意味で、操作に対する応答にラグ(ズレ)が少ない素直で直線的でダイレクトな応答の事を言います。
このラグの少なさ、ダイレクト感により車の操作と応答が感覚的に一直線に繋がり、人と車に一体感を生み出します。
よく世間ではこの感覚を「カチッとしている」なんて風によく言っていますが、操作にラグがなくダイレクトに操作できるので車の動きとしてはカチッ、カチッとしたキビキビ感があるのでよくこう表現されます。
車がまるで自分の手足のように動かせる、感じるようになると言ったら言い過ぎかもしれませんが、強ち間違いではなく慣れてくるとハンドルから伝わってくる路面の状況、タイヤと路面の接地感などがダイレクトに感じられるようになります。
ファミリーカーだとなかなかこうはいきません。
ハンドルを切ってもすぐにタイヤの向きは変わらず、ある程度回した所から徐々にタイヤの向きが変わり始めたりして操作と応答のラグが大きいです。
ブレーキもブレーキのかかりにムラがあり、ブレーキを踏んでも思ったよりブレーキがかからなかったり、逆に思った以上にブレーキがかかってしまったりする事があります。
MT車だとエンジンとのダイレクト感を味わえる
MT車はその仕組みからエンジンの力がそのままダイレクトにタイヤに伝わります。
エンジンからクラッチ、クラッチからギア、ギアからタイヤとこれらが機械的に一直線で繋がるのでエンジンの力がそのままタイヤへとダイレクトに伝わっていきます。
AT車だとMT車で言うクラッチの部分がトルクコンバーターと呼ばれるものに変わります。
トルクコンバーターは動力の入力側と出力側それぞれにタービンが向かい合って付いていてそれらをオイルで満たしカップリング(封入)したものになります。
エンジンの力でエンジン側のタービンが回り、それによりオイルに流れが生じ、その流れで出力側のタービンを回し動力を伝えます。
厳密にはもっと複雑な仕組みですがざっくり言うとそんな感じです。
つまりタービンを回してオイルを介して動力が伝わる仕組みであるため、タービンが回り始めるラグとオイルが循環し始めるまでのラグがあり、また仕組み上動力のロスも生じるのでAT車にはMT車のようなエンジンのダイレクト感はありません。
スポーツカーはファミリーカーよりパワーがあるとは限らない
傾向としてはスポーツカーの方がファミリーカーよりもエンジンの馬力が高い傾向にありますが、必ずしもそうではなくファミリーより馬力の小さなスポーツカーもたくさん存在します。
なのでファミリーカーでもそれなりの加速感は得られます。
しかし、エンジンの出力に合わせて車体側も強化する必要がありますから、ある程度の馬力を超えたところからスポーツカーしかラインアップが無くなるのも事実です。
スポーツカーが走行性能を得るために犠牲にしたものは快適性
スポーツカーが走行性能を得るために犠牲にしたもの、それは「快適性」です。
車内空間の広さ、静粛性、積める荷物の多さ、乗り降りのしやすさなど、生活の道具として使うには非常に不向きです。
- 4人乗りだけど実質2人乗り
- 後部座席はもはや罰ゲーム
- エンジンの音がうるさくて音楽が聞こえない
- ロードノイズがひどい
- 段差を超える時のショックの大きい
- 地面に座るかの如くシートの低さ
- ラゲッジスペースの低さ(荷物があまり積めない)
走行性能を得るためにこれらを犠牲にしたのでスポーツカーに快適性を求めるのは諦めましょう。
ちなみにZ33は純粋なスポーツカーと言うよりはスポーティーカーに近く、快適性もある程度確保されつつも走行性能もある程度確保されている車です。
ただカーレースのベース車両にもなっているのでチューニング次第ではカリッカリのスポーツカーにもなる色々と伸びしろが広い楽しい車です。
スポーツカーにしか存在しない快適性というのがある
スポーツカーは走行性能を得るために多くの快適性を犠牲にしていますが、実はファミリーカーになくスポーツカー故に存在する快適性というものがあります。
それは運転操作の快適性です。
スポーツカーの特徴である操作性のダイレクト感が運転操作のしやすさがこの快適性の正体になります。
人は操作とその応答にラグなどのズレがあると、そのズレを脳内で補正しようとします。
例えば、ファミリーカーのようなハンドル操作と応答のラグが大きい場合、ハンドルの切り遅れを防ぐために無意識に早めにハンドルを切るように操作に補正をかけます。
ブレーキも効きにムラがある場合は効きの強弱にあわせてベダルの踏む力の強弱を変えて安定したブレーキの効きになるように操作に補正をかけようとします。
ファミリーカーの運転では操作のダイレクト感が無い故に常にこのような補正操作が無意識に行われて非常に疲労します。
一方、スポーツカーの運転は操作のダイレクト性により操作補正が非常に少なく済み、疲労感の少なさはファミリーの比ではありません。
またスポーツカーのシートはホールド性が高く前後左右のGに対してシートが体をホールドしてくれるので、姿勢を保つための体の踏ん張りなどが必要なく、これが運転の快適性に寄与します。
一方、ファミリーカーはシートのホールド性が低いので身体が左右に振られるたびに姿勢を保つために踏ん張ったりと非常に疲れます。
スポーツカーの運転は本当に楽しくかつ楽です。
人馬一体となれる操作性の楽しさがスポーツカーにハマる最大値の理由であることは、スポーツカーに乗れば納得できると思います。
スポーツカーについてのまとめ
- 人馬一体となれる運転操作のダイレクト感が楽しい
- MT車だとダイレクト感がさらにアップ
- 快適性が犠牲となり普段使いには不向き
- でも運転操作は楽で運転が楽しくなる
以上、スポーツカー購入などの参考になればと思います。
それでは良いカーライフを。